BCP(事業継続計画)の取り組み

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BCP(事業継続計画)の取り組み

BCP(事業継続計画)とは

企業が自然災害やテロ攻撃、感染症のパンデミックなどの緊急事態に直面したときでも、中核となる重要な業務を継続または早期に復旧させるために、事前に備えておくための計画です。平常時から取り組んでおくべき対策や、緊急時の具体的な行動をまとめたものです。

取り組みの背景

白鷺電気工業がBCPに取り組む背景には、2016年に経験した熊本地震での教訓があります。この地震によって本社社屋が半壊する被害を受け、業務に支障をきたしかねない状況でしたが、立案中だった「非常災害対策要項(案)」をもとに、対策本部を速やかに設置することができました。部門を超えて連携できたことで迅速な対応が可能となり、早期の災害復旧に繋がりました。
この経験から、「非常災害対策要項」を正式に制定し、この要項と緊急時連絡体制表をまとめた「携帯カード」を全従業員に配布しました。

自然災害時の対策・計画

本社社屋の防災対策

2018年に完成した新社屋は、熊本地震の教訓をもとに、あらゆる事態を想定した対策を施しています。災害時には、まず従業員の安全を確保し、さらに電力や通信インフラの災害復旧拠点となる機能も備えています。

地震に強い本社ビル

耐震等級3相当の耐震強度 建物壁をアンボンドブレースで補強し、最も高いレベルの耐震性を実現しています。
免震装置付きの移動式書棚 震度7相当の地震発生時にも棚の倒壊や収納物の落下を防ぐことができます。
備蓄品の確保 従業員が3日間過ごせるだけの水・食料品・マスク・段ボールベッドなどを準備し、AEDを支社や現場に設置しています。支社や営業所では、全員分の非常用持ち出しセットを備えています。
非常用発電機の設置 LPガスを燃料とする定格出力54kVA 発電機を設置し、停電時に重要負荷(停電しても止めてはいけない設備・機器)に電源の供給が可能です。近隣のガス供給センターとの連携により、供給体制も確保しています。
太陽光発電で給電 本社建物屋上及びカーポート上に太陽光パネルを設置し、停電時も電気を供給できます。本社内にUSBポートを設置し、災害時の復旧拠点としての機能を強化しています。

ZEBの導入

スマート中低圧直流配電ネットワークシステム 効率的に電力を供給するために太陽光発電や蓄電池へも配電するシステムを構築しました。これにより災害時も無停電で電力を供給できます。
地中熱を利用した換気システムの導入 安定した地中の熱エネルギーを利用したシステムを導入し、空調機器の消費エネルギーを抑えています。省エネと環境への配慮を実現しています。
快適な室内環境を整備 高断熱材、Low-E 複層ガラス、全熱交換器、高効率空調、BWMSなどの設備を導入し、快適な室内環境を整えています。

非常時の安全確認と通信確保

災害時には、まず従業員や家族の安否を確認し、通信が停止した際にも対応できる非常時の通信手段を確保しています。人命の安全確保を最優先に、様々な手段や対策を検討し導入しています。

安否確認システムの導入 震度5強以上の地震発生時に全従業員へ自動で安否確認メールを配信し、状況を把握できる「安否確認システム」を導入しています。災害発生時の迅速な安全確保を実現しています。
非常時の通信手段の確保 一般の通信が停止した際の通信手段として「長距離無線LANシステム」、携帯電話が使えない場所でも活用できる「衛星携帯電話」を導入しています。
防災体制の強化 防災士資格取得支援として手当を追加し、社員防災士監修の下、ハザードマップを作成しました。また、非常時の情報連絡や消防の訓練を定期的に実施しています。熊本県主催の防災訓練にも毎年参加しています。
車両安全運転支援 全ての社有車にドライブレコーダーを搭載し、安全運転の推進、交通事故時の対応に備えています。また、緊急時の車両の呼び出しや災害時の車両場所特定にも活用しています。 
「おくだけカメラ」の導入 2018年の西日本豪雨災害発生直後、現場の安全管理に主眼を置き、カメラ、通信機器、独立電源が一体化した機器「おくだけカメラ」を導入しました。有事の際の支援や、復旧作業の現場監視に活用しています。
ドローン 通信ケーブルや送電線の電線延線作業などにドローンを利用しています。人の接近が困難または危険を伴う災害現場の状況確認にも活用しています。

感染症対策・支援活動

インフルエンザの感染拡大防止対策

従業員の予防接種を会社負担で実施し、感染者が発生した場合の対応を定めた社内基準を策定することで、感染拡大防止に取り組んでいます。

災害への復旧・支援活動

2025年11月に、2023年に熊本市と結んだ「カーボンニュートラルの実現及びレジリエンス強化に関する連携協定」に基づき、「令和7年度熊本市防災対処訓練(第二部)」に日産リーフの貸し出しを行いました。
この訓練は白鷺電気工業からリーフを熊本市に貸し出し、熊本市が避難所に指定している託麻まちづくりセンターで実際にリーフから電気を取り出す訓練をおこなうという内容でした。

認証・表彰

安心と健康を守る職場づくりで信頼される企業へ

白鷺電気工業は、従業員一人ひとりが安心して働き、仕事と家庭の両立や心身ともに健康でいられる職場づくりに取り組んでいます。その取り組みは、厚生労働省「くるみんプラス」や「健康経営優良法人2024」、熊本県「ブライト企業」など、数々の認定・表彰によって評価されています。さらに、環境保全や地域貢献など、SDGsへの積極的な取り組みも認められています。これからも、従業員が長く活躍できる環境づくりを続けてまいります。