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70周年記念座談会

社長と社員が語る
100年企業を見据えた
白鷺電気工業の未来

出席者

代表取締役社長 沼田 幸広(42歳) / イノベーション経営企画室 主任 眞田 晃一(35歳) / 情報通信部 主任 少貮 美麗(34歳) / 管理本部 主任 齋藤 慎一郎(38歳) / 営業 井田 賢利(34歳) / 電設部 課長 川本 幸司(45歳) / 送電部 課長 赤﨑 博紀(50歳) / 送電部 原口 仁道(21歳) / 情報通信部 副長 沖本 明快(43歳) / 発変電部 課長 本田 啓之(45歳) / 発変電部 近藤 千裕(20歳)

目指すは「日本中の誰もが知っている会社」

多目的ホールにて対談開始

司会:『白鷺電気工業』は 2017年に70周年を迎えられ、翌年の2018年1月には新本社ビルが完成して、着実に2047年の100周年に向けた歩みを進めていらっしゃいます。今日はそんな会社を支えている中堅、あるいは若手の社員の皆さまにお集まりいただき、100年企業を見据えた御社のこれからを、社長を交えて大いに語って頂きたいと思います。

まずは社長からこれからの白鷺電気工業について、特に100年企業に向けたビジョンをお話しいただきたいと思います。

社長:ここにいる方は、昨年のハワイの社員旅行には参加されていますよね。その時に100年企業に向けての2つのビジョンと、社会に貢献できる企業であり続けるための「白鷺電気工業Vision80」の4つをお話ししたと思いますが、川本さん、覚えていますか?

川本:えっ、私ですか(笑)。
100年企業に向けての2つのビジョンは、「日本中の誰もが知っている会社」「グループ売上高100億円」です。Vision80は「本業を深め、広げる」「社内起業を促進する」「働き方改革を実現する」「さらに地域と共に歩む」の4つです。

社長:さすがです。ありがとうございます。しらさぎグループの売り上げは、現在本体が約23億円で全体合わせると約25億円。これを10年後に39億円、20年後には65億円、そして30年後には100億円にしようと、目標を掲げています。まずは本業を深め広げて、23億円の売上を50億円までに成長させること。残りは社内起業を活発化させ、そこから5年先、10年先の事業の柱となるよう事業を確立させて、100億円を達成したいと思っています。

代表取締役 沼田 幸広 社長

「日本中の誰もが知っている会社」というのは、必ずしも上場して知名度を上げることではないと思います。実は誰もが知っている有名な会社でも、上場していない会社はいくつもあります。上場する、しないは、それぞれ長短があると思います。上場すると経営状況を公開して広く認知してもらい、世界中の投資家からお金を集めることができます。但し、多くの投資家たちは短期的な利益を求める傾向にありますので、会社は1年単位で結果を出さなくてはなりません。
当社は上場という選択よりも、オーナー会社として決定権を持ちながら長期的な視野を持って、会社運営したいと考えています。ただし、上場企業と同等の経営公開をしながら、公明正大な運営で「日本中の誰もが知っている会社」を目指したと思っています。

ところでみなさんは30年後って何歳ですか?

赤崎:私がこの中で最年長で、80歳超えてますよ(笑)。

社長:今は、人生100歳の時代ですからね、まだまだ先は長い(笑)。
2060年の日本は現在の人口の約1億2,700万人から大幅に減少して、約8,700万人になると言われています。そうすると労働人口はその半分4,350万人からくらいになってしまいますね。当然、今のままの働き方では、人手が足らず同じ成果は得られません。つまり働き方改革をしないと会社は存続できないということになります。
では、どのような改革をしていくのか。例えば、育休の期間は自宅で仕事ができる、あるいは介護しながら自宅で仕事をする、そのような環境を整えるのも一つの働き方改革です。

これから人手不足を解消すために、ICT化やAI化は加速していくと思います。当社も新技術を導入しながら働き方改革を進め、生産性を高めるのはもちろん、ICTやAIの技術やシステムをビジネスチャンスとして捉えて事業の拡大につなげていきたいと思っています。
今日はいい機会ですので、いろんな新規事業の種など、広い視野と大胆な発想で多くの意見を聞かせてください。

熊本県内屈指の次世代型ビル
災害に強い、ZEBの新社屋

新社屋 正面 2018年撮影

司会:今日は100年企業に向けての白鷺電気工業の未来がテーマですので、新規事業についてもご意見を頂きたいですね。その前に、今年完成した新社屋について社長からご説明頂きましょう。全国で初めて三菱電機と地元の建吉組と御社の三社共同事業で、Nearly ZEBを実現させたということで、これも未来を見据えた新たな改革ですよね。

社長:新本社ビルの建設に当たっては、①災害に強いビル②ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の導入③働き方改革の3つのコンセプトを掲げ、環境に優しい震災復興の象徴となるようなビルを目指しました。熊本地震では県民のたくさんの方が今まで経験したことのない災害に見舞われ、当社も旧社屋が半壊という大きな被害を受けました。社員たちは電気という生活に欠かせないライフラインを支える使命感から、被災直後から家族を残し現場に赴き復旧活動を続けました。そんな姿を見て、災害時に安心して働ける環境と社員の家族も会社に避難できる「災害に強いビル」を建てようと考えました。

司会:なるほど。そんな思いが込められていたのですね。眞田さん、例えばどういったところが災害に強いのでしょうか。

イノベーション経営企画室 眞田 晃一

眞田:1階部に高耐震性のV字型の座屈拘束ブレースが入っています。また高断熱工法で外熱に左右されにくい構造で消費電力を抑えています。冬は温かく、夏は涼しく感じる地熱を利用した換気システム。そして国内オフィスビルとしては初めてスマート直流配電ネットワークシステムを導入。非常用発電機は災害時にでも簡単に燃料を調達できるLPガス発電機を選択しました。後は、段ボールベッドを50セット、炊き出しセットが120人分、他食料の備蓄です。MJアラートも導入しています。

社長:そうですね、他にも多々ありますが、ZEBについてお話しますと、新社屋ビル竣工時にはすでに、平成28年度基準一次エネルギー消費量から50%以上削減して、ZEB Readyに達成していましたが、平成30年の3月にさらに1.92kWの太陽光モジュールを追加してその削減量が75%削減に到達したので、現在Nearly ZEBを申請中です(2018.6.4認証取得済み)。県内でNearly ZEBを実現できているところは少なく、九州でも珍しいのではないでしょうか。

再生可能エネルギーを利用すると共に高断熱工法などで電力の消費を抑え、供給と消費を限りなくゼロに近づける目標が設備的には整ったことになります。後はみなさんの力、運用方法の改善によって省エネに尽力して頂きたいですね。ただしZEBのコンセプトは、冷房の設定温度を28度にして暑さを我慢して節電するというようなことではありません。快適性を保ちながら消費電力を抑えることが大前提です。
では、どういうところで抑えるか。例えばこの部屋の照明は人感センサーと照度センサーを入れているので、太陽の光を加味して少し暗めの照度になっていますし、人が5分も動かずにいたら照明は消えるようになっています。このようなシステムを使いながら消費量を抑えていくのです。いかにシステムを活用して消費エネルギーを抑えていくかは、私たちの創意工夫にあるわけです。
働き方改革の実現においては、例えば3階の執務室にフリーアドレス制を導入しカフェスペースを設置しました。また、仕事内容に応じて高さを上下できる机、集中デスクの導入など、より働き易い環境を整えました。その他にも、外の景色を見ながら食事ができる多目的ホールなど、特に女性社員の皆さんのアイディアも随所に活かされています。
社員の皆さんがフリーアドレス制を活用して席を自由に変えながら他部署の人と話したり、打ち合わせしたり、そういう機会が増えれば新たな発想が生まれてくるのではないかと期待しています。また、先輩からのアドバイスなどを受ける機会も増え、人材育成にもつながるのではないかと考えています。

司会:なるほど。100年企業に向けて、着々と改革が進んでいるんですね。
みなさん、新社屋に引っ越しされて仕事をスタートされていますが、実際に快適ですか。

安全品質環境管理センター 少貮 美麗

少貮:些細なことかも知れませんが、床が絨毯敷なのでヒールを履く女性にとっては、脚がむくまなくなって疲れにくくなりました。

少貮:女子更衣室ができたおかげで仕事のメリハリもできました。以前は出社したらそのままバッグを持って席に着いていたのですが、現在は一旦更衣室にバッグを置いて鏡で整えて「ヨッシャー」と、気合を入れて席についています(笑)。とても良いルーティンができています。

社長:実は女子更衣室は男性の更衣室よりVIP待遇なんですよね。ロッカーは鏡や傘立て、棚があったりして、少し広いですしね。

男性社員一同:え~っ、差別ですね(笑)。

少貮:そうですよ(笑)!女性をとても大切にしてくれている会社なんです。

発変電部 近藤 千裕

近藤:私は女性用トイレが増えたことが嬉しいです。更衣室も広くなって、現場から帰って更衣室で着替えると何だかホッとして癒やされるんです。後は、駐輪場に屋根がついたことも嬉しい。

社長:さすが、チャリ通。気づくところが違いますね

司会:女性陣の笑顔を見ていると、快適な働く環境って、とても大事なことなんだと思います。新しく導入されたフリーアドレス制についてはどうですか。

本田:便利になりました。ネットも直ぐに自由に立ち上げられますしね。

井田:長所と短所があると思います。部の上長とのコミュニケーションが取りづらくなったことは不便です。以前は、近くの席で話したい時はいつでも話せたのですが、今は探さないといけないし(笑)。反対に今まであまり交流がなかった通信、変電部と席が隣同士になることもあって、いろいろな話をして営業としては情報が増えた面もあります。

司会:個人用ロッカーと仕事用のロッカーを一か所に集約されていますよね。つまり、フリーアドレス制では個人用の机を配さないので、机には私物がなく整然としてるんですよね。

営業 井田 賢利

本田:私は仕事上、図面の量がかなり多く、以前は引き出しなどに入れていたのですが、今は仕事用のロッカーなどに運ばなくてはいけませんので、少し不便さを感じますね。
その反面、机の上には何もないので広く使えます。図面を広げる時はとても便利です。

川本:書庫も機能的になりました。書類も探し易くなりましたし、移動棚のおかげでスペースも有効活用できています。それと、事務用品の共用は良かったですね。事務用品が一か所にありますから、いちいち探さなくてすみます。

少貮:個人用のレターケースの設置は良かったと思います。そこに書類やメモを入れておけば、朝出社した時に自分のレターケースをチェックしますので、漏れや無駄も減りました。

司会:みなさんとても快適に仕事をされているようです。フリーアドレス制については、みなさんのこれからの活用法に大いに期待したいところですね。
近藤さんは発変電部の唯一の女性として現場にでておられますが、いかがでしょう。

近藤:覚悟はしていたのですが、現場はもちろん全て男性です。他の業者さんと合流することもあるのですが、そちらも全員男性。たまに女性がいたら、と思うこともありますが。一番の心配はトイレでした。現場のトイレは男女共用なのですが、男性はカギをしないんですよ(笑)。慌てることもよくあります。

社長:そうですか。何だか目に浮かびます。みなさん、鍵はしましょう(笑)。

近藤:後は力の差は感じています。重い機材が持てなかったりボルトを締め切れなかったり。そんな時には先輩が助けてくれますが、女性であることに申し訳なさを感じます。でも、私にできることを積極的に見つけて、その分をカバーするように心がけています。

司会:現場は男性社会ですからね、いろいろと苦労はおありでしょう。しかし女性の活躍の場を、近藤さんは先駆者となって広げておられるのですから、すごいことです。どうです、入社して良かったですか。

近藤:もちろんです。やりがいもありますし、すごく周りから大切にされていることを実感しています。先輩や上司からは娘のようにかわいがってもらって、社内はとても温かな家族的な雰囲気です。ぜひ、女性の現場社員が増えて欲しいです。

熊本地震を経験して
インフラを支える使命を新たに

送電部 課長 赤﨑 博紀

司会:みなさんは熊本地震を経験され、いろいろな意味で仕事に対する思いも変わられたのではないでしょうか。

:地震直後の現場は、鉄塔が傾いていたり、想像を絶する光景でした。通常1~2ヶ月かける作業を、2~3日で済ませるという状況で、まさしく不眠不休でした。それを成し遂げた時は、当社の技術力、人の力の素晴らしさを実感し、これは胸を張れることだという思いがわいてきました。今でもその経験は私の原動力にもなっております。

命に直結する水さえも電気がなければ飲めません。電気がなければ何も動かないということを、県民のみなさんは改めて実感したのではないでしょうか。私は100年後もきっと電気は必要とされ、インフラを支えるという役割は続いていると思います。

司会:震災当時の記録映像を見せて頂いたのですが、みなさんが地域の方から非常に感謝されているのを目にしました。それによって、みなさんが改めて仕事の重要性を認識したということを口々に語っておられました。そういう思いはありましたか。

情報通信部 副長 沖本 明快

沖本:地震後、私の任務は高森町に新しい基地局をつくることでした。当時は高森町に行くのも一苦労。変わり果てた道を通っていくのですが、道中地域の人たちから「お疲れ様です」「ご苦労様です」とたくさんの声をかけられるのです。そんな声に励まされていくうちに、一日も早く復旧させたい、みなさんの力になりたい、という思いがわいてきました。私だけでなく現場はみなそうでした。
地震前は漠然と仕事をこなしてる感がありましたが、震災を経験して自分の仕事はなくてはならない重要な仕事だということを再認識しました。

発変電部 本田 啓之 課長

本田:私は前震直後に呼び出しがかかり、南熊本変電所に向かいました。そこでは20万ボルトの母線が折れている状態でした。一睡もせずに復旧作業を行い、クタクタになって自宅についた途端に本震が襲いました。
すぐに現場に戻ったら仮復旧した変電所が、見るも無残な状態になっていました。一からのやり直しでした。それでも誰一人文句を言ったり弱音を吐いたりするものはいませんでした。皆さん自宅も大変な状況なのに、ひたすらに作業に取り組んでいました。まさしく飲まず食わずで、あの時はコンビニ行っても何もない状態でしたからね。確か二日目にここにいる少貳さんが弁当を届けてくれて、あの時はうれしかったですね。会社に帰ったら炊き出し班がおいしいご飯を準備してくれて、本当に人の優しさが身にしみるというか。
会社としての一体感、団結力の素晴らしさを実感しました。みんなそれぞれにできることを、誰から言われるでもなく率先して動いていました。

そうそう、驚いたのは社長が一番早く会社にかけつけてましたよね。

社長:いやいや、私は二番手でした(笑)。まだ、早い社員がいましたよ。

司会:本当にみなさん大変な思いをされましたね。でも、そのおかげで電気の復旧は早かったですよね。原口さんは入社されてまだ1年半ほどということですが、どうですか仕事は。

送電部 原口 仁道

原口:高い所が苦手で、入社前は鉄塔に上ることさえクリアできれば何とかなるだろうと思っていました。実際に仕事してみると、鉄塔に上る前に30キロほどの荷物を背負って山を1時間とか2時間かけて登らないといけないということを知りました。正直、想定外のことでした(笑)。さらに、作業が終わったら、また同じように思い荷物を持って歩いて帰らなければならない。
おかげで体は鍛えられました。
それでも、新しく鉄塔を建てた時、古い鉄塔の横に自分が建てた鉄塔がど~んとそびえ立った時の達成感というものは格別でした。

司会:管理本部の齋藤さんは入社8年目ですよね。確か、関東でIT企業などの仕事を経験してUターンで白鷺電気工業に入社されたと聞きました。齋藤さんの未来図はどのように描かれていますか。

管理本部 主任 齋藤 慎一郎

齋藤:先日福岡支社に出張した際に、ビルの入り口に3~4列の後尾が見えないほどの長い行列があったんですね。何の行列だろうと聞いたら、そのビルの上層階の3フロアに「LINE」の会社が入っていて、社員たちがエレベーター待ちをしているんですよ。正直驚きました。考えたら、10年前はLINEなんて誰も知らなかったのではないでしょうか。急成長ですよね。しかし、10年後はどうなっているのかと、考えていまします。
今は10年先も見通せない世の中です。そんな世の中で会社の将来に向けて、自分は何をしたらよいか真剣に考えました。たどり着いた答えはセキュリティの強化です。情報漏えいやサイバー攻撃があれば、九州内の電力全てを停電させることもできます。一瞬にして、社会は大混乱、今まで気づいてきた当社の信頼も失ってしまいます。そう考えると、セキュリティの強化がとても重要だと思いました。

司会:なるほど、齋藤さんは現在社内業務の基幹システム更新を任されていらっしゃるので、特にそのセキュリティについては強い思いを持たれているんですね。井田さんはどうでしょう。未来について何か考えをお持ちですか。

井田:パソコンの販売が始まったのが1976年です。それから40年たった今、スマホの普及でポケットにパソコンを入れて世界と繋がる時代です。それを考えるとこれからの40年後は、もしかしたらテレパシーの時代、不老不死の薬ができているかもしれません(笑)。そのような大きな環境の変化が起きた時にどう対応できるか。それを突き詰めていくと、いかなる変化に対応できる武器はコミュニケーション力だと気づいたのです。戦後の高度成長期、バブル期、バブル崩壊と社会は変動し、これからも大きく変わっていくのは確実です。
私は、これからこそがコミュニケーション能力が試される時だと思います。これからの白鷺電気工業は、社員のコミュニケーション力、人間力の成長に掛かっていると思います。

司会:どんなに機械やコンピューターが進化しても、結局は人と人の繋がり、人間力が重要だということですね。
川本さんは県立美術館の復旧工事を担当されましたよね。それも含めて今後を語ってくれますか。

電設部 川本 幸司 課長

川本:私が入社したのが20年前。その当時、100年後を考えたことがありました。もしかしたら全ての配線がいらなくなるのではないか、と思ったんですね。当時は夢のような話でした。しかし、現在のWi-Fiなどが、それに近い形だと思います。もしかしたら、30年後は配線が本当に全くない時代かもしれない。時代はものすごいスピードで変化しています。私たちはどんな状況下でも、新システムや技術に対応できるスキルを持っていなければと思います。加速するIoTやAI化に対応できる準備をしっかり積んで、先頭に立って時代の波に乗っていかなければならないと思います。まずは技術向上のための教育や研修を行うことだと思います。

社長:県立美術館で何か新しい技術を使ったものってありますか。

熊本県立美術館 外観 2018年撮影

川本:展示照明の改修工事に携わったんですが、IoTの一つだと思いますがタブレット端末を使って照明をコントロールするシステムを導入しています。照度や色の調合をWi-Fiを通して調整するんです。

司会:なるほど。身近な所でも画期的な進化を遂げてますね、本田さんはこれからをどう見据えていますか。

本田:もうすでに始まっていますが、現場管理もタブレットで進めていくようになると思います。現場に出向かなくても、タブレットで仕事ができる。あるいは現場にいる社員に、タブレットを通して指示したり。現場の仕事をIoT化することは、人手不足の解消にも繋がります。これも働き方改革の一つだと思います。そういう技術を取り込むための人材育成が急務になると思います。

司会:御社は70年の歴史の中で常に新しい技術を導入しながら発展されてきました。これからはますます、アンテナを張って最新の技術をスピード感を持って導入することが大切だということは、全員の認識のようですね。眞田さんはいかがでしょう。

眞田:技術のスキルを高めるのはもちろんですが、当社の一番の魅力は常にチャレンジし続ける精神だと思います。70年の歴史で築いた安全と安心という信頼の上で、若い社長が旗を振ってどんどん新しいものを取り入れて改革を進められています。新社屋のZEBもまず当社が実験台となってチャレンジして、その良さや問題点を踏まえそれをビジネスとして発展させる。これって、すごく素晴らしいことだと思うんです。未来志向の会社で、自分自身もチャレンジすること忘れずに自己実現をしていきたいと思います。

司会:チャレンジという言葉は、まさしく今の白鷺電気工業を表現していると思います。沖本さんは、新しい事業にチャレンジされていると聞きました。

沖本:2年前、社長の命で携帯電話基地局の大手アンテナメーカへの研修に行かせていただいたことがご縁で、現在はそのアンテナメーカーさんの製品(長距離無線LANシステム)の取り付け事業の拡大に取り組んでいます。

このことからこの事業に限らず、我が社の情報力と技術力とネットワーク力を活用して新しいビ ジネスが生まれることを学びました。
インターネットで世界が繋がっている時代です。私たちが持っている技術を必要としている人は世界中にいると思います。そんな人たちと、みんながワクワクするような仕事に挑戦したいと思っています。乞うご期待!です。(笑)

司会:今日はみなさんのしっかりとした未来についてのビジョンをお聞かせいただいて、頼もしさを感じさせていただきました。いかがでしょう、社長の方から新規ビジネスも含めてお話を伺えればと思います。

社長:新事業の一つアグリビジネスについてお話をしたいと思います。2016年に『しらさぎファーム』を立ち上げ、現在植木町の畑で野菜を栽培しています。ご存知のように農業は天候に大きく左右されるビジネスです。どうしたら、天候に左右されずに安定的に生産できるか、これがひとつの課題です。得意とする電力を利用し安定した生産を確保する栽培方法を模索しているところです。
日本の人口は減少傾向にありますが、世界的に見ると人口増加は止まらず、このままいけば食糧不足は世界の深刻な問題となります。現在、日本の食料自給率は4割満たない状態で、先進国の中ではとても低い水準です。輸入に頼っている日本は、もし世界規模で食糧難が起これば、大変なダメージを受けるのは間違いないと思います。
熊本県は国内有数の農業県でもあります。水も空気もおいしい豊かな環境で優秀な食物を育て、しかも本業の技術を生かしエネルギーも熊本産となれば、そこに新たな付加価値がついた再生可能な農業に成長すると考えています。

司会:100周年の時のしらさぎファームが楽しみです。みなさんからも未来志向の積極的な意見もお聞かせいただいて、白鷺電気工業の明るい未来を確信いたしました。

井田:私はサッカーをやってきたのでよくサッカーになぞらえるのですが、サッカーは正にチームの連携が大切なスポーツです。更にディフェンスのスペシャリスト、パス、シュートのスペシャリストと、個人技の高い選手が多いチームは強くなります。一人だけ突出していてもチームは勝てません。
チームの連携が大切です。それと同じで、社員一人ひとりが能力や人間力を高めていけば、それが大きな力となって会社を押し上げていくと思います。当社にはたくさんのスペシャリストがいるわけですから、もっと個の力を高め連携すれば必ず100億円の目標をクリアできると考えています。

社長:頼もしい言葉ありがとうございます。今日の話の中でも何度も出てきたように、コミュニケーション力や最先端の技術力、情報収集力など、一人ひとりが極めて結集すれば、本当に大きな力になると思います。そしてみなさんが自ら発案し動けば、きっとその先に日本中の誰もが知ってる会社へと成長していくと思います。
私は、20年後は60歳を超えています。当然、今の様な動きはできないと思います。だからこそ、今だからできることをトライしたい。みなさんも今できることにチャレンジして欲しです。特に若い人たちは社内起業にも奮起していただいて、将来的には自分が起業した事業のトップになるように、夢を持って突き進んで欲しいです。みなさんの活躍、大いに期待しています。

 

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